メガソーラーの設置・運用に反対 計画は白紙に

市は環境政策の一環として、北部の市有地へのメガゾーラーを設置・20年間の運用を計画。国の脱炭素化事業(交付金)に応募申請しました。私は、自然環境や生態系への影響、住環境面、財政面でもリスクを訴え見直しを求めました。令和6年、事業は白紙となりました。

―本会議での質問-
令和6年 3月定例会 本会議質疑
令和6年9月定例会 一般質問
令和7年 3月定例会 一般質問

-令和7年3月定例会-

*質問資料

会派・ぜんしんの牧みゆきです。
傍聴席にお越しの皆様、さくらFM、そして、インターネット中継を御覧の皆様、ありがとうございます。

私が初めて議場に立たせていただいてから早くも2年がたち、折り返し地点を迎えようとしています。この間、所属政党を離れ、無所属となり、昨年6月には会派の一員となるなど、私自身、目まぐるしい変化を経験してまいりました。知識も経験も不足している私なりに皆様とのお約束に真摯に向き合い、信念を持って選んできた道ではありますが、その結果、御心配や御不安をおかけした方々には、改めて深くおわび申し上げます。頂きましたお言葉はしっかりと受け止めてまいります。同時に、温かいお言葉を頂戴した方々や日頃支えを頂いています皆様、また、寛大な心で見守り応対してくださった市議会並びに当局の皆様にも心より感謝を申し上げます。感謝の気持ちを胸に、今後もこれまでと変わらぬ姿勢で、市民の皆様のために全力を尽くしてまいります。頼りない部分もございますが、皆様や先輩方に御指導いただきながら切磋琢磨し、また、会派・ぜんしんの一員として、メンバーと力を合わせ、より一層努力してまいりますので、どうぞよろしくお願いします。

それでは、通告に従い、一問一答で大きく四つのテーマについて質問をしてまいります。お疲れのこととは存じますが、最後までお付き合いのほどよろしくお願いいたします。

一つ目のゼロカーボンシティ推進事業について質問します。

ゼロカーボンシティ推進事業は、本市の脱炭素政策の中心的な事業であり、再エネ導入などを含む取組は広く影響を及ぼし、多額の費用を要します。私は、昨年9月定例会において本事業について取り上げ、事業のうち、オフサイトPPAによる大規模太陽光発電、いわゆるメガソーラーの建設と運用について反対し、計画の見直しを求めました。しかし、当該メガソーラー事業に関して、多岐にわたるリスクを指摘したにもかかわらず、市は、令和7年度も同様の計画で国に交付金申請を行うことを決めました。その決定を残念に思うとともに、再度質問を行います。

初めに、事業の概要と問題点について、以前の質問と重複する部分もありますが、改めてお話しいたします。

資料1ページを御覧ください。

ゼロカーボンシティ推進事業は、国の地域脱炭素移行・再エネ推進交付金重点加速化事業に5か年の事業計画で応募申請し、採択されれば事業を行うという交付金ありきの事業です。令和7年度の事業費は当初予算で約7,000万円、昨年度は約5億4,000万円だった事業費が激減したのは、次年度以降にスタートする事業が多いためです。計画全体の予算総額は約11億円を想定。大半を国費で賄う計画ですが、採択されれば、長いもので20年間にわたる事業を行うことになります。

国に申請する複数の事業内容のうち、私が取り上げてきたのがオフサイトPPAによる野外太陽光発電施設の建設と運用で、令和8年度に約1億1,500万円を申請する予定です。

資料2ページを御覧ください。

オフサイトPPAについて、左上に図解で示していますが、本事業では、市が民間事業者と契約し、市の未利用地約1万平方メートルに出力約1メガワットのメガソーラーを建設、発電された電力を市が買い取り、本庁舎と第二庁舎で利用する計画で、最大で庁舎の使用電力の約6割程度を再エネ化できる計算です。建設費と維持管理費は交付金と事業者負担で賄われ、市は電気を固定単価で購入する計画となっています。

前回の質問でメガソーラーの取組に対し私が指摘した問題点は、一つ、市の支出が増えるリスク、2、事業者撤退のリスク、3、周辺の住環境や人体に与えるリスク、4、パネル処理など地球環境への負担、5、住民への事業説明の在り方の五つでした。これ以外にも懸念事項はありますが、今回は、当時の答弁を基に、三つの論点を取り上げます。

まず一つ目は、市の支出が増えるリスクについてです。市は、オフサイトPPA契約によって支払う電気料金について、市の負担が大手電力会社の単価以上になることはないと答弁し、一方で、託送料の変更、将来的な制度変更や燃料単価等の変動を受け、電力単価が上下する可能性が全くないとは言い切れないのも事実とも答えています。

2ページ下段の図にあるように、仕組み上、一般電力会社の相場が下がれば、オフサイトPPAの固定単価のほうが割高になる可能性は十分にあります。また、固定価格とはいえど、コスト増のために契約単価の見直しを求められる可能性もあります。さらに、追加費用や事業者が撤退した場合に負うリスクについても、事業者との契約方法で回避できる考えの答弁でしたが、これら市の支出増の可能性についてどのように想定し、評価しているのか伺います。

二つ目に、周辺の人や環境へのリスクの検討について。市は、答弁の中で、太陽光発電事業のデメリットについて、「傾斜地での土砂流出、濁水の発生や景観への影響並びにパネルの反射光、運転音や廃棄手法等、様々な問題が考えられます」と認め、また、住民への説明について、本事業では、パネルの反射光や運転音の発生などデメリットとともに対応策についても説明し、周知する、国に採択された際には、市ホームページで事業概要を掲載する予定であると答えていますが、周辺住民に配られた資料などからも、十分に調査、確認を行い、検討されたのか疑問に思います。

複数挙げたリスクのうち、私が特に懸念しているのは騒音についてです。野外設置ソーラーパネルが発する低周波音は、音量は大きくないですが、毎日続くものです。静かな住宅地でどのくらい響くのか、事前に調査し、騒音レベルの予測を行った上で立てられた計画や対策でしょうか。

そのほか、周辺の生態系に及ぼす影響、火災時に消火の難易度が上がることなども知られていますが、そういった想定や検討をした上で決定されたのでしょうか。

三つ目に、メガソーラー以外の取組の再検討について。本事業は、未利用地の利活用としての側面もあります。質問では、ほかの活用の仕方についても改めて検討するよう要望しましたが、再検討は行われたのでしょうか。予定地は、利活用について、これまで複数の提案がなされてきたと聞いています。近年、未利用地の活用方法は多岐にわたり、今後新たなニーズが生まれることも十分あり得ます。20年という長きにわたる事業ですから、土地の用途変更や公募提案等も含め、ほかにより適した事業がないのか検討されるべきです。

資料3ページを御覧ください。

環境省の資料から、これまで重点加速化事業に採択された148の自治体の事例を調べてみると、様々な取組がありますが、メガソーラーの導入例は少数です。導入した例でも、ため池や廃棄物処理施設の土地、空港近くの土地などを利用したものが多く、本市と同様のものはほとんど見られませんでした。令和7年度申請に向け、ほかの取組の可能性について再検討されたのでしょうか。

ここまではメガソーラー導入について確認してまいりましたが、ここからは事業全体についてお話をします。

喫緊の課題であるとされる気候変動や地球温暖化は、科学的な問題であると同時に、経済、産業、国際関係、政治などが絡むため、意見が大きく分かれるテーマです。例えばアメリカは、今年の政権交代後、気候変動の国際的枠組みであるパリ協定離脱を決定、今後、エネルギー政策は大きく変換していくと見られています。一方、ヨーロッパでは、脱炭素政策が強く推進される中、異論を唱えることが難しくなっているような状況もあります。

環境問題やエネルギー政策は世界情勢や市場のトレンドなどに大きく左右される傾向にあり、今回のように市が長期間にわたってする事業では、非常に慎重に検討する必要があると考えています。次のテーマでも取り上げますEV公用車の導入なども含め、脱炭素化に向けた取組の中には、導入や維持管理に高額を要するだけでなく、機能的に不便が生じたり、効果を立証、実感することが極めて難しいものも多くあります。国で推進されているとはいえ、厳しい財政状況にある本市が市民の生活や住環境にさらなる負担を求めたり、既存のサービスを削ってまで行うものではないと考えています。

以上を踏まえ質問します。

オフサイトPPAでは、市の支出が予想額を上回る結果となる可能性はあると考えますが、市の想定、評価をお聞かせください。

騒音や生態系への影響など、メガソーラーが抱える複数のリスクに対し、十分な検討を行ったのでしょうか。

メガソーラーの取組の見直しについて、未利用地の活用、事業内容の適切さの両側面から再検討を行ったのでしょうか。

ゼロカーボンシティ推進事業を全体的に見直す必要があると思いますがどうでしょうか。

厳しい財政状況にある本市では、再生可能エネルギー事業のような先進的で高コストな施策よりも、市民の協力の下、節電や断熱などによる省エネや徒歩や自転車利用による排出ガスの削減、ペーパーレス、街路樹の育成や植栽などによる緑化整備など、目新しくなくとも堅実な取組をより浸透させるような事業を行うべきではないでしょうか。当局のお考えをお聞かせください。

◎環境局長

ゼロカーボンシティ推進事業についての御質問のうち、初めに、オフサイトPPAによる市の支出増の可能性についてお答えします。

議員御指摘のとおり、オフサイトPPAは、電気料金単価が固定されるため、一般電力会社の相場が下がることで、相対的に割高になる可能性があります。市としては、廃棄物発電やリバースオークションなどでトータルコストが一般電力事業者の調達コストを超えないように努め、電力消費ベースでのゼロカーボンを推進する考えです。

また、追加費用のリスクや事業者の撤退時におけるリスクは、想定できる範囲において、当初よりリスク分担を明確にすることで、市にとって過度な負担を避けることができると考えております。

次に、周辺の住環境等へのリスク検討についてですが、シミュレーションなどを行った検討事案として、低周波は機器の設置距離や性能向上もあり、国が定める基準よりも低いレベルに、反射光は低反射パネルの採用やフェンスなどを設けることで影響の軽減を、また、感電リスクも指摘される大型蓄電池を設置する予定はなく、事業予定地が20年前に造成されていることなどから、生態系への影響は最小限であると考えています。事業が採択され具体的に進めるに当たっては、リスクの最小限化はもちろん、特に事業予定地の周辺にお住まいの方々の声を聞きながら、事業実施後も必要に応じて対策を見直すなど、地元に対して丁寧な対応を心がけてまいります。

次に、メガソーラーの建設と運用事業の見直しについてですが、次回の環境省重点対策加速化事業の申請では、住宅の屋根置き型太陽光発電と野立て型太陽光発電の両者が必須条件となっており、メガソーラーを含めた申請が不可欠です。ソーラーパネルを設置する事業予定地は、以前に不動産コンサルタント事業者による利活用調査を行いましたが、そのほとんどが市街化調整区域であることから、現在のところ、本事業以外で有効に活用できる事業はなく、再検討の結果、事業予定地の変更には至らなかったものの、前回申請に比べ、メガソーラーの規模を小さくする判断をしております。なお、環境省との調整の中でも、本市には住宅都市型再生可能エネルギーの普及が求められており、これまでの事業検討は適切であったと考えております。

次に、申請事業全体の見直しについてですが、ゼロカーボンシティの実現は持続可能な社会を築くために非常に重要な取組で、将来の環境負荷の軽減に寄与するものであり、本市においても同様であると考えております。国は、安全性の確保を最優先にしながら、安定したエネルギー供給やコストの低減に向けた取組を進めており、地方自治体に対して、自家消費モデルやPPAなどの再生可能エネルギー発電事業の導入を推進しております。本市にあっては、廃棄物発電の利用、LED化やEV車のほか、住宅の屋根置き型太陽光発電設備の導入を推進するもので、昨年度から事業メニューに変わりはないものの、事業費の配分を見直しております。財政状況が厳しい本市の現状を勘案した場合、交付金を最大限に活用しつつ、電力調達コストを抑制しながら事業を進めることが適切であると考えております。

最後に、本市の進めるべき施策についてですが、議員御指摘のとおり、ゼロカーボンシティの推進には、市民の協力なしにこれを実現することはできません。本市としましても、これまで取り組んできた環境活動は継続しながら、同時に、再生可能エネルギーの導入など、脱炭素に向けた様々な方策を進めていく必要があると考えております。脱炭素社会実現への取組は長期的な視点での持続可能な発展を目指すものであり、革新的な技術の導入にあっては、市民の皆様の御意見を伺いながら取捨選択し、よりよい施策を展開できるよう努めてまいります。

以上でございます。

 

◆牧みゆき

御答弁ありがとうございます。
市の支出が増える可能性について、市は、電気料金が割高になる可能性はあるものの、大きな影響はなく、トータルバランスで考えれば市の支出が増えることはない、また、事業者との契約の仕方で追加費用等のリスクを最小限にできるという評価であるということを確認しました。未利用地の活用法として適しており、脱炭素化の観点からも必要かつ適切な事業であると判断されたこと、加えて、メガソーラーの規模の縮小と事業費の配分を見直し、計画どおり進める方針であることを確認しました。

専門的かつ複雑な試算に基づくリスクの評価については一定の信頼を置きますが、20年という長期間の事業契約をすることに不安が拭えないということは改めて指摘をしておきます。

また、7年度から国の申請要件が変更され、メガソーラーを含めた申請が必須となるという答弁について、省庁にも確認し、野立ての太陽光発電の導入が条件にはあるものの、規模については指定がなく、必ずしも1万平方メートル以上のメガソーラーが必要とは限らないということは指摘しておきます。

また、総合的に見たとき、事業全体の中で当該メガソーラー事業を実施する必要性は感じられないという意見は前回から変わりありません。私は、太陽光発電の可能性を否定しているわけではなく、非常用電源や予備電源としての活用、日本で進められているペロブスカイトや蓄電池などの技術開発にも期待を寄せています。しかし、だからこそ、本市が今この事業を進める必要性については懐疑的です。全国的にも導入例が少ないのは、同じような懸念を抱いているためではないかと推察をしています。

また、電気料金等の契約は、1円、2円の違いで、市場に左右され大きく変わってきます。それらを利用したのがリバースオークションで、財政構造改善の効果額としても大きなものが上がっていますが、これらはどこまでいっても試算によるもので、不確定な要素が大きいです。こういった事業を公共の事業として長期間契約するということにやはり強い懸念を感じています。

国は、2月に第7次エネルギー基本方針を閣議決定し、再生可能エネルギーはさらに進められていく予定で、国は、自身が立てた目標に対し野心的であるという表現をしています。

御答弁では、本市の脱炭素事業に関する施策について、市民の意見を反映し、よりよい方向に進めるべきとされています。私は、分かりやすい省エネの取組や樹木の育成にこそ力を入れてほしいと考えています。本市では、今年、街路樹の育成計画を策定する予定ですが、その資料によれば、市が管理する樹木の多くが状態がよくないと診断されています。こういった目の前の環境を守ることこそ脱炭素化のために必要な施策ではないでしょうか。70年後の子孫のために木を植え、100年先の森林計画を立てていた先人の知恵に倣い、未来の西宮市の環境のための計画について、今後も意見、提案をさせていただきます。

それでは次の質問に移ります。

令和7年3月3日

-令和6年9月定例会-

*質問資料

◆牧みゆき
温暖化や気候変動を食い止め、地球環境と人々の暮らしを持続可能にしていくため、カーボンニュートラル――脱炭素化政策が推進されています。再生可能エネルギーの普及はその中心的な取組の一つで、中でも太陽光発電が注目されていました。しかし、普及のため産業化されたことも影響し、本格導入が始まって約10年がたった今、様々な問題が指摘されています。

資料1ページを御覧ください。

日本の太陽光発電の導入量は世界第3位、国土面積に対する導入量は主要国で最大級です。本市では、2015年頃から国見台など主に北部地域に大規模太陽光発電所、いわゆるメガソーラーが建設され、2017年には花の峯のメガソーラー計画について請願が提出され、採択されています。本年5月16日の参議院経済産業委員会では、再生可能エネルギーについて、欧州では既に議論は方向転換されており、我が国でも再エネ賦課金の廃止を含め抜本的な見直しが必要であると述べた委員に対し、経済産業省は、関係法令遵守や安全性の確保などを含めた地域との共生、事業終了後の設備の適切な廃棄・リサイクルなど様々な課題があるのも事実であると問題の存在を認めました。

こうした状況の中、本市は、令和6年度の当初予算にゼロカーボンシティ推進事業5億4,400万円を計上、このうち約5億3,000万円は国費で交付金ありの事業計画となっています。市は、今年3月に地域脱炭素移行・再エネ推進交付金の重点加速化事業に応募申請しましたが、不採択となり、現在は事実上の中止となっています。しかしながら、今後も再度申請を行う予定ということで、本事業の問題点をつまびらかにするべく、一般質問として取り上げます。

国に申請した事業内容と申請額は1ページ下段にあるとおりです。複数ある項目のうち、本事業の中核となっているのがオフサイトPPAによる太陽光発電施設の建設と運用で、約1.1億円の交付金を申請しています。オフサイトPPAでは、市が民間事業者と契約し、市の未利用地、約1万平方メートルに出力約1メガワットのメガソーラーを建設、発電された電力を市が買い取り、本庁舎と第二庁舎で利用する計画で、庁舎の使用電力の約6割程度を再エネ化できる計算です。建設費と維持管理費は交付金と事業者負担で賄われ、市は、現在利用している関西電力とほぼ同等の固定単価で購入できる計画ですが、オフサイトPPAは、契約期間が15年から20年と長期に及ぶため、時期によっては関西電力の単価を上回る可能性があります。

2ページを御覧ください。

一般的な額になりますが、過去数年間においても、オフサイトPPAの単価が一般電力会社の平均単価を上回っている時期が多く存在します。その横のグラフから、関西電力もほぼ同じ価格推移であることが分かります。

また、左下の図にあるように、様々ある自家消費型太陽光発電モデルの中でオフサイトPPAの電気料金の構成には、バランシングコスト、託送料、メンテナンス代、導入費用など様々なコストが含まれており、構成内容の多さから契約時よりも市が支払う電気料金が上がる可能性も少なくありません。特に託送料は、つくった電気を利用するのに送電線を使用するための料金で、事業者側がコントロールできません。なお、近年、太陽光発電は、災害時の非常用電源として活用がメリットとして挙げられますが、オフサイトPPAの場合、既存の送電線を利用するので、非常時に活用することは困難です。

契約期間が長期に及ぶことのリスクは価格面だけではありません。オフサイトPPAは、発電設備の所有権を事業者が持っており、万一契約期間中に事業者が撤退した場合の事業の引継ぎはどうなるのか、撤去費や放置されるリスクはないのか、懸念します。

そもそもメガソーラーについては、環境負荷や災害時のリスクを伴うことが近年広く知られるようになってきました。景観の阻害、パネルの反射光、運転音による騒音と低周波による体調不良、建設地の土壌汚染やそこから来る地下水の汚染、周辺に生息する動植物など生態系への影響、台風や地震など災害発生時に起こる器物破損や火災などの2次被害などなど、太陽光発電が導入され始めた頃は明らかでなかった問題が噴出しています。20年間にわたるこの事業が人や動物などを含め西宮市の自然環境にかける負担は少なくないように思います。

また、パネル本体については、現在、日本で使用される太陽光パネルは海外製が主流となっており、製造過程で排出される多量のCO2が削減量の計算に入っていないこと、製造過程における強制労働といった人権問題についても指摘されており、新疆ウイグル地区の話は有名です。

また、頻繁に指摘され、本会議でも過去に松山議員が指摘しておられたのがパネル処理の問題です。鉛など複数の有害物質を含むとされる使用済みパネルについては、リサイクルを含め法整備も考えられていますが、現状、リサイクルは困難な部分があり、多くが分解後、費用の少ない埋立処理に回される傾向にあります。2030年代後半には、現在の200倍に当たる年間約80万トンが排出される予測ですが、処理の技術や処分場の容量が確立しているとは言えず、不法投棄や事業者の廃業も懸念されています。計画では、パネルの処理は契約料の中に含まれると伺っていますが、大量のパネルが地中に埋められることが環境によいとは言い難く、また、パネルのリサイクルや処理は、近い将来、技術が向上したとしても処理費用が加算される可能性も十分あると考えます。そして、廃棄処理時に発生するCO2排出量も計算に入れるべきです。

厳しい財政で市民の負担の増を余儀なくされている本市が多額の予算を要する再エネ事業を国の補助で行えるのは大きな利点とも思えますが、不確定な要素が多く、将来的に市の支出が増えるリスクを否定できません。また、本質的に地球の環境を守っているとは言い難い面もあり、総合的に見たとき、環境学習都市を宣言し、環境教育や環境政策に力を入れてきた西宮市が市の事業として行うのに適切かどうか疑問を抱きます。そして、結果的に市民のためになるのか、市民の納得のいくものになるのか、不安が拭えません。

なお、本事業において太陽光発電は、個人宅への導入補助事業も含まれます。ZEH化住宅、施設のZEB化などが推奨される中、住宅地や町なかにもソーラーパネルが増え、普及が進んだからこその問題も出ています。京都府では、景観阻害も含め、地域に合ったパネル設置となるよう規制されたり、ほかの自治体では太陽光発電導入の詳細なガイドラインが示されていますが、本市では、2017年に市の快適条例で300平方メートル以上の設置に対して届出を求める規制をし、ページ右下にあるプリント1枚にまとめたガイドラインが作成されていますが、どちらも作成した年から変更されていません。また、届出が規制される平成29年より前にできた発電所は市として把握していないことや、設置基準はあっても法的拘束力がない点などに問題はないのか、懸念します。

様々状況が変化した今、メガソーラーを含め市内全体の設置状況を把握し、生まれている問題点や課題を整理して、まちづくり全体として適度で適切な設置となるようガイドラインを示していく必要があると感じています。

また、これら施策の根幹となっている本市の環境基本計画は、環境学習の教材としても利用できるよう作成されたと認識しています。であれば、教育的観点から、再生可能エネルギー創出には、明るい可能性だけでなく、問題やリスクが生じていることも明記するべきではないでしょうか。子供たちや市民がより正確で深い考えを持って持続可能な地球環境や未来について考えていけるようにするべきと考えます。

以上を踏まえ、質問します。

1、オフサイトPPAの単価が関西電力の単価を上回ったり、料金が改定され、事業導入により市の負担が増える可能性はないのでしょうか。

2、オフサイトPPA事業者撤退のリスクはないのでしょうか。

3、事業について市民への説明と広報をどのように行うのでしょうか。

4、太陽光発電のデメリットについて市の見解をお答えください。

5、ソーラー設備の導入に関するガイドライン、快適条例による規制を見直す必要はないでしょうか。

6、環境基本計画に再生可能エネルギー普及のリスクも記載すべきと考えますが、どうでしょうか。

以上で壇上からの質問を終え、以降は対面式質問席にて再質問、意見、要望等をしてまいります。御清聴ありがとうございました。

 

○議長 これより当局の答弁を求めます。

 

◎環境局長 

ゼロカーボンシティ推進事業についての御質問にお答えします。
初めに、事業導入による市の負担についてですが、電力単価は、石油、石炭や天然ガスなどの燃料価格や卸電力市場における取引価格の影響により変動します。一方でオフサイトPPAは、価格の変動リスクを軽減でき、将来にわたって安定した電力調達につながるもので、事業発注の段階で契約期間、電力の上限単価等を設定し、事業者を決定するため、市の負担が大手電力会社の単価以上になることはありません。ただし、議員御指摘のとおり、託送料など電力送配電会社が別途定める費用、将来的な制度変更や燃料単価等の変動を受け、電力単価が上下する可能性が全くないとは言い切れないのも事実です。しかしながら、現時点、これらの状況を総合的に勘案した結果、本市のエネルギー調達の手法としてオフサイトPPAを導入することは、電力事情に係るリスク軽減対策に有効なものであると考えております。

次に、事業者撤退のリスクについてですが、事業者選定時には、撤退リスクを最小化するため、事業者の経営状況、同種事業の実績等だけでなく、リスク回避に対する考え方なども審査項目とすることで、その低減に努めてまいります。

また、撤退に係る内容を契約書に定め、機器の撤去、敷地の原状回復等の責任を明確化し、債務不履行の場合には法的な措置も含めて対応してまいります。

次に、事業について市民への説明と広報についてですが、事業予定地では地元説明会を行い、詳細な配置計画や災害に伴う停電時の充電施設の開放等といったメリットのほか、パネルの反射光や運転音が発生するといったデメリットとともにその対応策についても説明を行い、周知をいたします。また、環境省が進める脱炭素先行地域でその基盤となる、いわゆる重点対策加速化事業に採択された際には、市ホームページにてその事業概要も掲載する予定としております。

次に、太陽光発電のデメリットについてですが、傾斜地での土砂流出、濁水の発生や景観への影響並びにパネルの反射光、運転音や廃棄手法等、様々な問題が考えられます。例えば本市で事業実施の場合には、低反射タイプのパネルの採用、向きの工夫や住宅地との空間の設定及び植樹などの反射光の遮断、運転音を発生する装置は住宅地から離れた場所に配置するなどの対応、また、事業終了時の設備の廃棄につきましては、環境省太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドラインにのっとり、有害物質の処分を含め適正に対処してまいります。

なお、太陽光発電設備システムの製造過程で発生する二酸化炭素排出量は2年程度で回収できるとされていることもあり、住宅地を多く抱える本市にあっては、曲がる太陽光電池――ペロブスカイトを含め、太陽光発電による再生可能エネルギーの導入が最も適していると考えております。

次に、太陽光発電の設備導入に関するガイドライン、規制の見直しについてですが、本市においては、条例及びガイドラインで設置者に対して太陽光発電施設の適正な設置や管理面を求め、兵庫県においても条例で近隣住民との協議を経た上での届出を求めています。このように、兵庫県が社会情勢等の変化を踏まえながら一定の規制強化を図っていることから、市による規制は考えておりませんが、市ガイドラインについては、県条例の反映など適宜修正を行い、太陽光発電施設がより適正に設置・管理されるよう、市ホームページ等を活用し、設置者へ協力を求めていきます。

また、今後も引き続き国や県の動向を見ながら市の対応について研究を進めてまいります。

最後に、再エネ推進のリスクや課題の記載についてですが、本市では、令和6年3月に西宮市環境基本計画の中間改定を行い、環境目標ゼロカーボンの分野においては、太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギーの利用推進を啓発し、また、安全・快適の分野では、人や環境に優しい安全で快適な社会の実現に向けた取組を掲げ、有害物質発生源への指導・監視などの方針をうたっております。一方で、個別・具体的な施策に係るリスクまで記載することはしておりません。

脱炭素社会の実現に向けては、革新的な技術導入の検討が不可欠ですが、新たな技術導入には、多少に関わらず、リスクとその対策について考慮しておく必要があると考えており、再生可能エネルギーにつきましても、メリットのみならずリスクについても正しい知識を持つことは環境学習の観点からも大切なことであると認識しております。

環境基本計画は、施策の方針・方向性を示すものであり、個別事業に係る具体的なリスクや課題の記載までは困難ですが、市ホームページには太陽光パネル廃棄処分時の留意点を記載しており、引き続き国、県や他都市の状況を勘案しながら、広報の仕方やその記載内容について検討を進めてまいります。

以上でございます。

○議長 当局の答弁は終わりました。

 

◆牧みゆき

丁寧な御答弁ありがとうございます。

再質問をいたします。

時間の都合上、答弁を大きくまとめますが、オフサイトPPAの事業は、契約の仕方で様々なリスク回避を考えておられるものの、電気代が契約時より高くなる可能性、また、関西電力より値段が高くなる場合もあり、事業者撤退リスクも存在するということでした。特にパネル処理については、法整備で厳格な適正処理が義務づけられたとき、事業者から追加費用を求められる可能性は高いと考えています。そして、私が様々申し上げた環境や人も含め生態系に関わる問題、災害時のリスク等、数々の課題があることも発言内で認められていますが、十分な対策がなされているとは言えない状態です。加えて、今回は触れていませんが、令和6年度のゼロカーボンシティ推進事業では、オフサイトPPA事業以外にも、公用車のEV化事業費など長期間のリース契約の契約も含まれ、交付金で導入ができるものの、その後は市費での運用となり、既に導入しているEV車では、ガソリン車と比べ約3倍の費用がかかっている状態です。

私は、これら事業で市が抱えるリスク、市の財政状況と日本の脱炭素・再エネ事業全体が抱えている問題の多さから、来年度申請の際には、オフサイトPPAによるメガソーラーの建設・運用事業、また、ゼロカーボンシティ推進事業全体の事業内容を見直すべきであると考えます。これに対する市の見解を、すみませんが、できるだけ簡潔にお聞かせください。

○議長 再質問に対する答弁を求めます。

 

◎環境局長

再質問にお答えします。
地球温暖化に伴う気候変動の影響は大きく、その原因とされる二酸化炭素の排出量を減らすことは喫緊の課題であると認識しております。議員言及のとおり、オフサイトPPAを含む太陽光発電の導入に対しては、様々な課題も指摘されます。その一方で、本市の脱炭素化を推進していく上で二酸化炭素排出量抑制効果がある再生可能エネルギーの導入はその選択肢の一つではありますが、住宅地を多く抱える本市のポテンシャル――潜在能力を考慮した場合、太陽光発電の活用は非常に有効であると考えております。また、事業を進めるに当たっては、国の補助金を活用するなど、財政的な負担を軽減できる手法を選択し、課題に的確に対処しつつ、ゼロカーボン実現に取り組んでまいりたいと考えております。

以上でございます。

 

○議長 当局の答弁は終わりました。

 

◆牧みゆき

御答弁ありがとうございました。
課題は認識しつつも事業は進めていくと受け止めました。私は見直すべきだと思います。太陽光発電が本市の再エネ化に有効であることは否定しませんが、本市の再エネ化は既に市の施設全体の6割以上できていると伺っていますし、繰り返しになりますが、国の補助は主に導入費用で、維持管理に多額の予算が必要です。令和6年度、ゼロカーボンシティの計画全体で削減できるCO2排出量は6万198トン、人1人が年間に排出するCO2は一般的に年間約9トンと言われ、計算すると6万198トンは6,688人分の年間排出量となり、6,688人は西宮市の人口の約1.4%に当たります。つまり、複数年にわたる事業で億単位の予算をかけ、市全体の1.4%の人が1年間に排出するCO2を削減するという計算になります。これは、取り組む必要がないと言いたいのではなく、脱炭素・再エネ事業とは、全般こういったものだということを市に改めて認識していただきたいという思いです。財政難でいろいろと切り詰めざるを得ない状況の西宮市が本当に今どうしても取り組まなければならない事業なのでしょうか。計画のメガソーラーは、急斜面や切土、盛土をするようなタイプではありませんが、未利用地の活用としてほかに有効なものがないかを含め再検討を強く要望します。

また、住民への説明を行う際には、資源エネルギー庁のガイドラインも参考にきちんと説明が行き届くようにし、住民・市民の疑問や不安に丁寧に対応してください。

規制やガイドラインの見直し、作成も早急に進めるようお願いいたします。

今回質問するに当たり、北部のソーラー施設を見たり関係する省庁に確認をしましたが、様々浮かび上がった問題に対し、勧告や規制の追加が各省庁にまたがり、複雑になされています。市は、西宮市に今どれだけの太陽光発電設備があってどうなっているのか、国や県はどう対応していて、今、自治体がすべきことは何なのか、具体的に把握できているでしょうか。地球環境のためにと事業が計画されているのに、足元である西宮市の環境について対策が穴だらけに感じています。まずは実態把握と理解、その上での計画だと思い、環境基本計画への記載も提案しました。

再生可能エネルギーの普及に当たっては地域との共生を大事にするよう国も呼びかけており、ゼロカーボン推進に当たっては、他市との比較や数値目標の達成を急ぐのではなく、さきの定例会で河崎議員から御提案があったように、技術革新を待ちつつ、時間をかけて考えるというのも大事だと思います。西宮市の環境や人にも優しい本質的な環境政策を進めていただくようお願いして、この質問を終わります。

令和6年9月4日

-令和6年3月定例会-

◆牧みゆき

ただいま上程中の諸議案のうち、議案104号令和6年度西宮市一般会計予算に、無所属、牧みゆきは、賛成の立場から予防接種事業と地球温暖化対策、ゼロカーボンシティ推進事業について意見をいたします。


次に、ゼロカーボンシティ事業について。

先日、民生の予算分科会におきまして、地域脱炭素移行・再エネ推進交付金を利用する、このゼロカーボンシティ事業について質問させていただきました。御答弁では、この事業は、オフサイトPPAによる約1万平方メートルのメガソーラーの建設と運用、個人宅への太陽光発電導入の補助、公共施設へのLED、太陽光発電、蓄電池の導入、施設の空調設備新調による省エネ、エネファーム導入補助事業などを行うという内容で、国に交付金申請をされるとのことでした。質疑の際、若干不明瞭な部分も残された形となったこともあって、それは後ほど御説明いただけるということでしたので、分科会の採決時には事業内容の再検討を要望し、賛成をいたしました。

分科会が終了し、同日その説明を受けた際には、当日既に交付金の申請がなされたとの御報告でした。
申請の審査に時間がかかることから、事業を進めるに当たり、できるだけ早めに申請する必要があるということは分かりますが、この事業は交付金でされる事業とはいえ、来年度額だけで約5億3,000万円がかかり、申請する5年間の事業全体に係る総額は、さらに大きくなる事業と聞いています。また、事業内容に含まれるメガソーラーの建設は、市が保有する未利用地を利用するとのことですが、市の土地、1万平方メートルに多額の予算を使い、施設を建設する事業であることを考えたときに、事業の内容とその決定のプロセスの開示が不足していたように感じます。

私は、昨年来から、委員会内で野外設置ソーラーの導入については質問や意見をし、12月の市の環境基本計画、地球温暖化対策実行計画の中間改定(素案)の報告の際にも、市の目標として掲げられた2028年度の二酸化炭素排出量を2013年度比46%削減、これをどのような手段で達成していこうと考えておられるのか、野外設置ソーラーによる太陽光発電の計画の有無、そして動向も質問いたしました。その際には、公共施設や個人宅への野外パネル設置を主に考えており、野外ソーラーに関しては、現段階の計画はないとお答えされたと記憶しております。しかし、同月には、この事業の計画に沿って動き出されていたとのことでした。

まず申請をしてみなければ交付金はもらえないし、交付金の審査から漏れれば行えない事業で、不確定な状況のまま公表することが難しいという事情があったとしても、認められれば行う前提での計画です。国のお金で行う事業とはいえ、メガソーラーは20年間の契約を見込んだものとのことですし、その費用対効果、環境、住民への影響など、本当に様々重要な検討事項があります。

周辺住民への説明会は約500戸へ案内し、8戸の方の参加があったということでしたが、それで周辺住民の方の意見や反応が伺えたとしてよいのだろうかというのも疑問です。

広範囲の野外ソーラーパネルの設置、いわゆるメガソーラーは景観のこと、反射光や運転音だけでなく、長期的土壌汚染、周辺の自然環境や生体への影響、地震や台風などで起こる2次被害など、これまであると分かって問題となっていることがあるからこそ、設置に対する反対意見や、今月同じ関西圏であったような長時間の議論がなされるわけです。ですから、メリットの面だけでなく、デメリットの部分も包み隠さずお話しし、事前に知っておいてもらっていることは必須の条件となります。

交付金が決定した後には、再び住民説明に行かれるとのことでしたので、その際には、具体的に資料も提示しながら、丁寧にメリット、デメリットの両方の説明をした上で、改めて住民の方の意向を聞いていただくよう、必ずお願いいたします。

また、事業者契約などの前には、所管事務報告を行うとのことでしたので、その際には、先ほど申し上げましたように、この事業の総額を含め、CO2削減量、環境への影響、電気代など、総合的かつ長期的に見た費用対効果などもお示しいただきながら、議員を含め、たくさんの目で事業内容の確認、再検討がなされるようお願いいたします。

本市の環境基本計画、温暖化計画にある目標は、そもそも地球環境を守ると同時に、西宮の環境と市民の暮らしを守るためのものであるはずです。その目的と手段が入れ替わることのないようお願いしたいということをお伝えしまして、本件に関する意見といたします。

令和6年3月25日

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