新型コロナワクチンの接種記録と予診票の保存

*令和7年3月定例会 牧みゆき 一般質問資料

◆牧みゆき

次に、新型コロナワクチンの予防接種記録と予診票の保存について質問をいたします。

令和元年12月に日本で初めて新型コロナ感染が報じられ、約1年後の令和3年2月に全額公費負担の臨時接種という体制で、新型コロナワクチン――以下「コロナワクチン」と言います。コロナワクチンの接種がスタートしました。接種勧奨の対象は回によって異なるものの、3年間で通算7回の接種が行われ、令和6年3月末、臨時接種対象制は終了、4月から定期接種へと移行しました。昨年10月に開始されたコロナワクチンの定期接種の本市の接種率は約13%、臨時接種と比べて低い値となっています。

一方、初めて接種が実施されてから4年が経過した今も、コロナワクチン接種が起因とされる健康被害に対し救済措置を求める予防接種健康被害救済制度に申請する人は後を絶ちません。

資料6ページを御覧ください。

予防接種健康被害救済制度――以下「救済制度」と言います。救済制度の進達の件数は表1にあるとおりです。今年の2月17日現在で、全国で1万2,961件、認定数は8,866件で、本市では、進達件数50件、認定数36件、それぞれの右隣に昨年から1年間でどれぐらい件数が増えたかを記載しています。

表の2と3では、西宮市の進達と認定を表しており、令和6年度にも10件の申請があり、7件が国に進達されています。接種率が低くなった現在でも進達件数が増えているのは、遅れての申請があるためだと予測しています。新型コロナワクチン接種が起因とされる健康被害については、公的な周知が積極的に行われず、国の認定も遅れたため、理解され難い傾向にありましたが、徐々に認知が進み、改めて申請をされる方もいる状態と考えています。

また、申請のための書類を集めるのに時間と費用を要することや、健康被害には、ワクチン接種をした後、数か月後に発生する遅効性の症状があることも要因の一つと考えています。このように、今もなお必要とされている救済制度ですが、制度の運用と既存の法律にそごが生じていることが地方議会等で指摘されています。

資料7ページを御覧ください。

救済制度の申請には、医療機関の領収書や診療録など、様々な必要書類があります。また、接種済み券や接種記録によって、誰がいつどこで接種したか証明する必要があります。この記録は、予防接種台帳として、法律上、各自治体で5年間保存する決まりで、本市も保存しています。そして、規定どおりであれば、コロナワクチン接種が始まった令和2年度の記録は、令和8年度以降、順次破棄されることになります。しかし、コロナワクチン接種においては、保存期間が現行の5年では道理が合わなくなるというのが指摘された内容です。国は、昨年3月、国が保有する接種記録の保存を延長する方針を示し、検討に入りました。しかし、具体的な期間等はいまだ示されてはいません。

本市では、昨年6月の一般質問で、佐野ひろみ議員が予防接種の接種歴の保存期間延長について質問をされました。私は、そのときの市の答弁について改めて明確にしたい点があり、今回質問をいたします。

接種歴の保存期間を延長すべきと考えるがどうかという佐野議員の問いに対する市の答弁は、市が保有する新型コロナワクチンの接種歴のデータは当面の間保存することとし、国において保存期間の延長に関する方針が示された後に、その内容を踏まえ、本市における保存期間について検討を行うこととするというものでした。

初めに確認したいのは、答弁にある市が保有する接種歴のデータという言葉が何を指しているのかということです。接種記録について話されるとき接種記録、接種歴、接種データ、接種台帳など類似した言葉が使われますが、それぞれの言葉が指しているものの範囲は明確ではなく、異なっている場合があると思っています。厚生労働省――以下「厚労省」と言います。厚労省に確認したところ、国が現在検討している接種データの保持とは医療機関の一元化に伴うもので、そこで示す記録とは、いつ、誰が、どこで、何を接種したか、つまり、接種年月日、接種者名、医療機関名、ワクチンの種類やロット番号などが該当するとのことでした。

しかし、この接種データのほかに、自治体が保有している記録に予防接種の予診票があります。これは資料の赤で囲んだところになります。予診票は、救済制度で国に申請する際に自治体が用意する必要書類でもあり、接種記録と共に保管されています。

また、右横の表は、以前の質問でもお示しした資料ですが、救済制度は、予防接種の接種形態によって給付される金額や申請できる期間が大きく異なります。新型コロナワクチンの場合、公費負担で接種勧奨もあった特例臨時接種については申請が無期限で、定期接種に移行した後の接種については5年に限られます。

市は、接種記録の保存期間の延長について、国の方針が決定してから改めて検討するとのことでしたが、厚労省によれば、国が保存期間を検討している記録に予診票は含まれません。つまり、現行の体制どおり、令和9年度以降、市が予診票を破棄した場合、申請が無期限の臨時接種の場合であっても救済制度に申請できない事例が発生するということになります。

こういった事例が発生しかねないことを知り、既に千葉県我孫子市、栃木県小山市、大阪府和泉市など複数の自治体が予診票を含む接種記録の保存の延長を決定しています。期間は長いもので30年、永年保持にした自治体もあり、今年に入ってからも、浜松市で保存期間を10年に延長されています。

先ほども言いましたが、新型コロナワクチンの場合、数年経って救済制度に申請されるケースも十分あり得ます。本市でも今年度10件の申請がありますが、いずれも令和5年までの特例臨時接種についての申請です。

このように、本人や御家族が申請を希望されたときに、自治体が予診票を保存しておかなければ、制度のルールが守られません。

また、予診票は貴重な情報が記録されている公的な書類です。特に新型コロナワクチンの場合、新しいmRNA型遺伝子ワクチンであること、緊急を要するとして通常の過程よりも早い特例承認として認可された経緯、過去最大の健康被害が報告されているという現在の状況、効果や安全性、長期にわたる影響が検証中の状態にあるということから、救済制度のルール以外の観点からも、長期間の保存は必須と言えます。現在保存されている接種記録とともに、予診票の保存期間の延長も行うべきだと考えます。

以上を踏まえ、質問します。

一つ目、市が保存を検討している予防接種記録とは何の記録のことを指しているのでしょうか。

二つ目、市が保有している新型コロナワクチンの予診票のデータを含む接種記録の保存の延長をするべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 

○議長       当局の答弁を求めます。

 

◎健康福祉局長
新型コロナワクチンの接種記録と予診票の保存についての御質問にお答えします。

まず、市が保有する予防接種記録の定義についてですが、令和6年6月定例会の佐野議員の一般質問において御答弁いたしました新型コロナワクチン特例臨時接種――以下「特例臨時接種」と申します。特例臨時接種の予防接種記録――以下「接種記録」と申します。接種記録とは、紙ベースの予診票ではなく、予防接種法施行規則――以下「規則」と申します。規則第3条に規定されている被接種者の氏名、性別、生年月日、住所、予防接種を受けた年月日、予防接種の種類、ワクチンのロット番号などの情報を指しており、本市では、これらの情報は、市の健康管理システムに電子データとして登録及び保存を行っております。

次に、保存期間の延長についてですが、市は、特例臨時接種に係る健康被害救済制度――以下「救済制度」と申します。救済制度の申請を受け付けた場合、申請者からの提出書類に市が保有する予診票の写しを添えて国に進達することとされております。予診票には、接種記録以外に、接種当日の体調や既往歴、現在受けている治療などの情報も記載されていますが、これらの情報は規則に基づく記録の作成及び保存の対象ではないことから、健康管理システムへのデータ登録は行っておらず、市が保存する紙ベースの予診票については、西宮市文書管理規程に基づき、5年間保存することとしております。

一方、議員の御質問にもありますとおり、特例臨時接種の救済制度については、申請の期限がなく、市が予診票を廃棄した後に救済制度の申請を受け付けた場合、国への進達時に予診票を添えることができなくなります。この点について国に確認しましたところ、予診票の保存年限については、各自治体の文書管理規程等を確認の上適切に対応し、廃棄後については、進達の際に、保存期間満了につき予診票の提出ができない旨を記載するようにとの回答があったところです。

今後につきましては、このたびの議員からの御質問や特例臨時接種に係る救済制度の申請が現在も行われている現状を踏まえ、特例臨時接種最終年度の令和5年度分予診票が保存期限を迎える令和10年度には、全国的な救済制度の申請状況及び各地における予診票の保存状況等を確認し、その結果を基に、本市における予診票の破棄時期についてお示しすることといたします。

以上でございます。

 

○議長 当局の答弁は終わりました。

 

◆牧みゆき
御答弁ありがとうございます。

予診票の破棄を令和10年まで延期し、再検討いただけることを安心いたしました。他市でも、救済制度に影響しないということを確認した上で、やっぱりもしかすると必要になるかもしれないということで、保存の延期を決定されたと伺っています。

ここで再質問をさせていただきます。

紙の予診票をスキャンし、データ化して保存する自治体も多くありますが、本市では行われないのでしょうか。

 

○議長 再質問に対する答弁を求めます。

 

◎健康福祉局長 再質問にお答えします。

本市では、令和5年9月に予診票のデータ化について検討を行いましたが、その際に事業者から示されたデータ化に必要な金額は予診票140万枚に対し約5,200万円であり、費用対効果の面から予診票のデータ化を見送り、紙の状態で保存することを決めた経緯がございます。現在、本市が保存している予診票は約150万枚であり、さらなる費用が必要になりますことから、現時点におきまして、予診票をデータ化する予定はございません。

以上でございます。

 

○議長 当局の再質問に対する答弁は終わりました。

 

◆牧みゆき

御答弁ありがとうございます。

多額の費用がかかるため、現在データ化の予定はないとのことでしたが、コロナ禍で既に行っている自治体も少なくありません。また、浜松市や小山市では、次年度以降にデータ化・保存のための予算を確保し、保存を進める予定とのことです。今後の対策も含め、他の自治体の事例も参考にし、データ化の検討をしてください。

また、医療DX等が進められ、今後ますますデータ保存されるものも増えていく中、コロナワクチン以外の予防接種の記録の保存期間の見直しや規則の変更なども検討する必要があるのではないでしょうか。今の子供たちは、成人までに10種類のワクチンを努力義務のある臨時接種で23回から27回受けることになっているそうです。私たちのときとは全く違って、その数には非常に驚きます。今後もワクチン接種による予防医療が推奨される流れの中、こういった記録を保持する重要性は高まるように思います。予診票含む記録のデータ化と保存、そして、関係規則の整理や検討を要望いたします。

また、本市では、昨年11月に予防接種の副反応疑い報告に関する要望書が提出され、迅速に対応がされていますが、副反応報告制度や救済制度の重要性も高まると思われますので、それらの周知や広報も引き続き行っていただくよう要望いたします。

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